親子で防災を学ぼう!市民防災センターや18区の消防署で防災体験
横浜市消防局では、神奈川区にある「横浜市民防災センター」を始め、各署で防災について親子で考えるきっかけとなりそうな様々なプログラムが体験できるのをご存じですか?
災害の備えは大切だと思っていても、ついつい後回しにしてしまいがち。そんな時に、お子さんとのお出かけをかねて、足を運んでみるのはいかがでしょうか。
この記事では、横浜市民防災センターの太田成紀係長に「子育て世帯の防災準備」や日頃からの備えの大切さについて教えてもらいました。記事の後半で紹介するので、ぜひ参考にしてください!
「横浜市民防災センター」は防災体験がたくさんできるスポット
親子で防災を考えるきっかけとしてぜひ足を運びたいのが「横浜市民防災センター」(以下、防災センター)。市内唯一の体験型防災学習施設として、ガイド付きで地震・火災と風水害の2種類を体験できるツアーや、災害時に役立つ知識を身につけることができる7つの体験プログラムを行っていて、災害時をイメージしながら防災を学ぶことができます!2024年度の体験者数はなんと7万人!
参考:「いつも」のお出かけで、「もしも」の防災体験!
季節の防災イベントも充実
防災センターでは、縁日やクリスマスなどの季節の行事と防災を絡めたイベントを年4回開催しているほか、保育専門学校と連携し、保育士がこどもを預かっている間に保護者が体験ツアーに参加できる「親子で楽しくまなぼうさい!」など、こどもを中心として防災意識を高める取り組みを行っています。一時預かり中のお子さん向けの防災ワークショップや親子で一緒に参加できるプログラムもあって、「ここでの体験をきっかけにこどもが防災に興味を持ったことで、家庭の防災対策が一気に進んだ」という声も寄せられているそうです。
災害対応車両も見学可能!
防災センターには「機動特殊災害対応隊」の活動拠点としての役割もあります。
市内で放射性物質や生物、化学物質による災害(NBC災害)などが発生した際にはここから出動しているんだそう!
また、センター内には横浜市で唯一の特殊災害対応車両が並び、タイミングが合えば普段はなかなかお目にかかれない貴重な車両を間近で見学できます!乗り物好きのこどもたちは大興奮間違いなし!ぜひチェックしてみてください。
そして、市内各地で華やかな演奏を披露する「横浜市消防音楽隊」も防災センターを拠点に活動しています。2024年度の演奏は、幼稚園や介護施設、市や消防署の行事など約170件にのぼりました。消防音楽隊は演奏の前後に、訪問先の年齢層や興味にあわせてクイズなどで楽しく防災について伝えるなど、広報の役割も担っているんです。音楽隊の一部の隊員はドリルチーム「ポートエンジェルス119」も兼務してドリル演技も披露します。チームは1982年の結成以降女性のみで構成されていましたが、昨年、衣装がスカートからパンツスタイルに変わり、初めて男性メンバーが加わりました。さらに魅力アップした音楽隊に注目です!
消防署で消防車に会える
近くの消防署でも防災を学ぶことができることをご存じですか?市内18区の各消防署では、キッズの団体を対象に、こどもサイズの防火衣もしくは本物の防火衣等の試着やかっこいい消防車等との記念撮影など、こどもが大喜びしそうな特別体験ができるチャンス!!
また、消火器体験、煙の中を歩く体験、こどもの救命指導などを学べるほか、場合によっては、防火衣の着装体験や消防車等との記念撮影ができるかも!
ここでの体験が親子で防災について話すきっかけになりそうですね!
体験はいずれも無料。希望する場合は、各消防署へ事前にご相談ください。平日の日中で日程を調整すると、こどもの年齢に応じた体験を用意してくれますよ!
ほかにも横浜市消防局では、ふるさと納税を行った人を対象に、各所で消防体験ができるイベントを実施しています。詳細はこちらをご覧ください。
今知りたい!子育て世代に大切な「災害時の心得」
大きな地震や風水害で電気・ガス・水道のライフラインが止まったら・・・。
そんな時、どんな備えが必要?「親子で乗り越える災害」について防災センターの太田成紀係長と音楽隊の長谷川萌里さんにお話を聞きました。
災害が起きたら、日常生活が戻るまでの間、普段と違う生活を送るのは不安ですよね。そんな状況に備えてまず始めたいのは、日常生活においてみなさんが絶対に必要と思うものについて考えてみることです。
全世帯共通で必要なのはトイレパックや、オムツとおしりふきなどの排泄にかかわるもの。
乳幼児のいる世帯は、液体ミルクも必ず用意しましょう。「母乳が出るから大丈夫」と思われがちですが、災害時はストレスで母乳がでなくなってしまうことも。液体ミルクの保存期限は1年半程度なので、赤ちゃんが生まれたタイミングで用意すると、ちょうど離乳食が終わるころに期限を迎えるので無駄がありません。また、災害時に初めて液体ミルクを飲ませることに不安がある場合は、普段の生活の中で液体ミルクを試してみる機会があると良いかも。
おもちゃやお菓子も忘れずに
こどもの好きなおもちゃやお菓子の用意も忘れずに。災害時は誰もがストレスを感じやすくなるものです。お気に入りのおもちゃやお菓子があると、お子さんの不安な気持ちも少しは和らげることができるはず。家族それぞれ、何があると一番くつろげるか、心が和らぐか、この機会に話し合ってみてはいかがでしょうか。
備蓄は最低3日分を
どれくらいの備蓄が必要かというと、最低3日分と言われています。この3日というのは、一般的に被災地に物資が届き始めるまでの期間なんです。物資が届き始めてもすぐに平常には戻らないので、できれば7日分くらいの備蓄を用意しておくと良いでしょう。
家族の人数×7日分の食料というと大変に感じるかもしれませんが、いざという時にまず手をつけるのは、冷蔵庫の中のもの。日ごろから冷蔵庫に物を入れている家庭であれば数日間は、それで過ごせます。普段あまり冷蔵庫の中に食材が入っていないというご家庭では、7日分くらいの備蓄が必要かもしれませんね。このように日ごろのご家庭の生活スタイルに沿った備蓄を考えることが大切です。。
子育て世帯の備蓄品は、おむつがいらなくなった、服のサイズが変わった、食べる量が増えたと、こどもの成長に合わせて状況が変わるので、3年おきくらいに見直すのがおすすめです。
「災害用伝言ダイヤル」は家族の安否確認に便利!
災害発生時、家族の居場所がバラバラでも慌てないように、連絡体制や待ち合わせ場所を話し合っておくことも大切です。電話を使って安否や避難先等の情報を音声で残せる「災害用伝言ダイヤル(171)」は使い方も簡単なので活用していただきたいのですが、ひとつ盲点が。伝言を録音・再生するためのキーとなる電話番号を登録する必要があるのを知っていますか?以前は固定電話が主流でしたが、今は1人ひとりが携帯番号を持っている時代。誰の携帯番号をキーにするか家族で決めておかないと、伝言を聞くことができません。毎月1日と15日は体験日として実際に「171」を利用できるので、一度親子で使い方を確認しておくと良いと思います。
防災訓練も工夫次第でこどもも楽しく学べるイベントに!
基本的な備蓄品が揃ったら、実際にライフラインが停止した状況を想定して家族で訓練をしてみましょう。「夜から朝まで電気をつけずに防災備蓄で過ごしてみよう」と呼びかけるだけで、こどもにとってドキドキ、ワクワクするちょっとしたイベントに!
使い慣れないトイレパックに苦戦したり、用意した非常食が苦手で食べられなかったりと思わぬ問題が分かることもあれば、「キャンプで使ったLEDランタンが意外と役に立った」などの発見もあります。何をどう工夫すれば良いか、考えるきっかけになるはずです。
横浜市では震度5強以上の揺れを観測すると、住民が一定期間避難生活を送れる場所として、指定の小中学校などに「地域防災拠点(指定避難所)」が開設されます。
各地域防災拠点では年に数回、誰でも参加できる訓練を行って、参加者の声に耳を傾けながらより良い拠点づくりを目指していますが、小さなこどもを持つ世代の参加は少ないのが現状です。「授乳スペースはこんな部分に配慮してほしい」、「おむつ替えの場はこうした方が良い」といった子育て世代の視点は貴重で反映もされやすいので、ぜひ参加していただきたいですね。災害時、地域防災拠点には救援物資やさまざまな災害情報も集まります。SNS等でデマの拡散も起こりやすくなりますが、地域防災拠点に行けば正確な情報を得られることを、ぜひこどもにも伝えておきましょう。
災害が起きた時にはどうすればいいの?
たくさんの被災地を見た消防隊員の方に聞きました
「突然被災したら、親子での避難生活はどうしたらよいの?」
消防隊員として能登半島地震や熱海の土砂災害、大船渡山林火災などの現場で人命救助や検索活動を経験した青葉消防署元石川消防出張所勤務の戸﨑直哉さんにお話をききました。
「避難後の生活場所=避難場所」と思ってしまいがちですが、本来はそうではありません。二次被害の恐れがないのであれば自宅や心身ともに落ち着ける場所での避難生活が良いでしょう。私自身、東日本大震災で被災した時は、不足した備蓄品をたくさん持っている人から譲ってもらうなど、近所付き合いの大切さを感じました。多くのマンションには自治会があり、災害時はすでに決まっている防災マニュアルに従えば良い場合が多いですが、戸建ての住民は個々に動く必要があるので、より地域の中での顔の見える関係が重要になります。
終わりの見えない避難生活でストレスがたまると、思わぬトラブルが起こることも。被災するということは、それだけ心理的にも追い込まれてしまうということなのだと思います。
そうした状況でこどもを守れるのはまず親です。こどももストレスを抱えているので、被災の直後だけでなく、その後も継続的に見守ってあげることが大切です。
震災は風化させてはいけない事実。私たち消防でも様々なかたちで伝えていますが、ご家庭でも命を守るためにどう動くべきか、親子で考えたりできると良いと思います。
いかがでしたか?大きな災害に備えるには、日頃からの心構えが大切です。たとえば「こんな時はどうしよう」「こんな準備ができるかな」と、親子で防災について話し合うだけでも、いざという時の安心につながります。皆さんの生活のそばには、いざという時に頼りになる消防署や市民防災センターがあります。楽しく学べる様々なプログラムや特別な体験を通じて、防災について考えるきっかけにしてみてくださいね!

