
プロが教える!
いつものお出かけ写真をワンランクアップさせるコツ

親子でお出かけをしたら、とりあえず写真を撮ってはいるけれど、なんだかいつも同じような写真で味気ない……。せっかく撮るなら、もっとかわいく・かっこよく、フォトジェニックに大切な思い出を残せたら嬉しいですよね。ポートレート写真を数多く手掛けるプロのフォトグラファー・島津美紗さんにスマホですぐ実践できるコツを聞きました!
コツ① こどもの目線に合わせる
Before

After

こどもの写真を撮る時にやりがちなのが、大人の目線で上からスマホを構えてしまうこと。上からのアングルだと、こどもの顔がはっきり写らず、どういう表情をしているのかがわかりづらい写真になってしまいます。
こどもの目線に合わせてしゃがんだり、座ったりすることで、ワクワク、生き生きとした表情をとらえることができます。視点が低くなることで、空や背景もよく見えるようになり、こどもの様子だけでなく、天気やシチュエーションもより伝わる写真になりますよ!

こどもの目線にぴったり!
コツ② こどもを中央に寄せる
Before

After

上からのアングルで、こどもの顔を写そうとすると画面の端寄りに写ってしまうことが多く、お悩みのママ・パパも多いのではないでしょうか? Beforeを見ると、写真のフチ寄りに頭があり、少し伸びた状態で写ってしまっていることがわかります。これはスマホのカメラレンズが広角レンズであるため、起こってしまう現象です。
そんな時は、こどもを中心に寄せて撮影するのがおすすめ。シャッターボタンを押す前に、顔や頭が写真のフチ寄りになってしまっていないか、しっかり確認するようにしましょう。
コツ③ グリッド線をオンにして、水平垂直を意識する
Before

After

こどもの動きは先読みすることが難しいもの。「ベストシーンを収めたい!」と急いでスマホを構え、すぐにシャッターを切ってしまう……という方も多いのではないでしょうか? 撮る瞬間は気に留めていなかったけれど、後で見返すと斜めに写ってしまっていた!という場合もありますよね。上記の写真のように、レンガなど直線の要素が背景にある場合は、水平垂直を意識しないで撮ってしまうと特に歪みが目立ってしまいます。
そんな時は、まずスマホのカメラアプリの設定画面から、グリッド線をオンにしましょう。「グリッド」とは、撮影する時画面に表示される補助線のことです。

グリッド線を表示させることで、窓などのまっすぐなところを利用して、スマホをまっすぐ構えやすくなります。
グリッド線をオンにしたら、水平垂直を意識してスマホを持ち、撮影しましょう。
コツ④ メインに写したい被写体は手前に配置
Before

After

Beforeの写真を見ると、小さなこどもと広々とした散歩道の対比で、かわいらしさが伝わる写真ではあるのですが、なんだか「ぽつん……」とした印象。まだ写真が良くなる伸びしろがありそうな雰囲気です。
このようなシーンで写真を撮る場合、こどもを手前にして撮ることで奥行きが出ます。人の視覚と脳の特徴として、手前にあるものが先に情報として認識されるため、「メインに写したい被写体を手前に」というポイントを覚えておきましょう。
コツ⑤スマホを逆さに持つ
Before

After

スマホを逆さに持って撮影する「逆さスマホ」も効果的です。せっかくお出かけしても、しばらく経ってから見返すと「どこへ出かけたんだっけ……?」と思い出すのに時間がかかることもありますよね。
逆さスマホは高さのある背景を含めやすいので、後ろに写したいランドマークがある場合にぴったり。後で写真を見返した時に「そういえば、この日はみなとみらいの近くの公園に行ったなあ」というように、場所もすぐに見分けることができますよ!
【番外編】ママ・パパも一緒に写る場合のコツ
最後に番外編として、ママ・パパも一緒に写真に写る場合のコツを見てみましょう。
まず気をつける点は、こどもの表情が良くなるまでしっかりシャッターチャンスを待つことです。これは親子での写真に限らず言えることですが、焦って撮影者が動いてしまうと、ブレたり、微妙な表情のままの写真が撮れてしまいます。
もう一人の被写体であるママ・パパがサポートして、こどもの笑顔を引き出してみましょう。

次に、【コツ① こどもの目線に合わせる】と【コツ② スマホを逆さに持つ】を活用した親子の全身写真です。普通に撮る場合、大人の目線でカメラを構えると、お子さんはパパの目線に合わせて上を向き、パパは頭が大きく見えてしまう……というのがよくあるケースですが、二つのコツの掛け合わせでどちらの表情もよく見える写真になります。

また、写真を撮る時は「こっちを向いて」「ピースして!」とつい声を掛けがちですよね。でも、全ての写真がカメラ目線じゃなくても、一日の一部を切り取ったような楽しい様子が伝わる写真にできるんです! ぜひ、意識してみてくださいね。

カメラ目線でない一場面も思い出に
続いては、みなとみらいの遊園地「よこはまコスモワールド」でメリーゴーランドに乗っている様子です。アトラクションを全て写そうとするのではなく、ズームした上で被写体を中心に置き、家族の表情にフォーカスするため、周辺の要素を含め過ぎないようにしましょう。和やかな雰囲気が伝わる写真に仕上がりました。

まとめ
今回の記事では、スマホで実践できるお出かけ写真をワンランクアップさせるコツをお伝えしました。
「こどもが成長するのはあっという間だから、一枚でも多く写真に収めたい!」という気持ちは親なら誰でも持っていますよね。スマホのいいところは、持ち運びやすく「今だ!」という瞬間にパッと取り出せる手軽さ。いいカメラを買わないと、いい写真は撮れないというわけではなく、この記事でご紹介したコツを押さえれば、スマホでも十分素敵な写真を取ることは可能です。
とはいえ、一番大切なのは親子でお出かけを楽しむこと! 肩肘張らず、親子の時間を楽しみながら、思い出を残せるといいですね!

<教えてくれた方>
島津美紗(しまづ・みさ)
大阪府出身、東京都在住のフォトグラファー。
スタジオ・ロケ撮影などの経験を経て、独立。現在は雑誌やウェブ広告などで、人物を主な被写体とするポートレート撮影を中心に活動中。
食べることが好きで、魅力がたくさんある横浜には、グルメ開拓をしによく通っている。